GFPによる細胞内局在の可視化(平田 潤)

 

発光クラゲであるオワンクラゲ内の photocyte と呼ばれる発光組織中には、エクオリンと GFP という2つの発光分子が複合体を形成しており,エクオリンがCa2+刺激により活性化されエネルギーを放出し、そのエネルギーが緑色蛍光タンパク質 GFP (green fluorescent protein) を励起し、緑色の光を発する。1992年にGFP遺伝子が単離され、GFP単体でもUV光照射により蛍光を発することから、それ以後GFPはレポーターとして様々な解析に使用されるようになった。他にタグを用いてタンパク質の細胞内局在を観察する方法として免疫染色が挙げられるがこちらは細胞を固定する必要がある。GFPは生細胞内における遺伝子発現やタンパク質の動態を観察できる優れた方法である。しかし、GFPにも問題点はある。まず、GFPはタンパク質量が高い場合や塩濃度が高い場合には二量体化しやすい。また240アミノ酸とタグとしては大きすぎるためにGFP自体が、融合させたタンパク質に対して局在や活性など何らかの影響を与える恐れがある。GFPを使用する実験を組み立てる際には以上の点について注意する必要がある。

用意するもの

・pEGFPベクター(当研究室ではクロンテックのものを使用。)

プロトコ-ル

GFP融合タンパク質発現ベクターを作製する(GFPと目的タンパク質cDNAのフレームを合わせること)。

GFP融合タンパク質発現ベクターを細胞にトランスフェクトする

培養

蛍光顕微鏡で観察