最終更新日 2016.09.10.
最終更新日 2016.09.10.
生体は,環境に応答して様々な化学反応を引き起こし,それらの連鎖的シグナル反応によって恒常性を維持しています.複雑なシグナル応答は,細胞膜から核内情報へ変換・集約されて,遺伝子発現の“量”を制御します.この時,シグナル応答性の遺伝的ターゲットはゲノムであり,その調節のイニシエーターとして細胞外刺激(リガンド)-膜貫通型受容体が,そしてメディエーターとして転写(制御)因子が重要な役割を果たしており,このような応答機構は生命現象の根幹をなすものです.
ゲノムは,遺伝子配列の1次情報と共に,それらの発現を制御する重要な指令情報をも含んでいます.前者の遺伝子DNA情報は,三つ組配列によるコドンの法則からタンパク質情報に変換することはコンピューター上である程度可能ですが,後者の発現指令情報の法則性は現在のところ不明です.細胞外刺激が膜上の受容体から多段階的に変換され,そのシグナル情報が核内に伝達されて転写(制御)因子とDNA上の指令情報との相互作用によって初めて遺伝子発現のプログラムが作動します.一方で,遺伝子産物である受容体や転写因子自身も,リン酸化,アセチル化,ユビキチン化やメチル化といった“質”的制御であるシグナル応答性の修飾反応を受け,その機能が調節されます.
本研究室では,受容体機能,転写(制御)因子の多重修飾調節,及びゲノム応答領域を解析することで,“生活習慣(食事,ホルモン,ストレス等)シグナル”による核内情報伝達に与える影響を解明し,メタボリックシンドロ-ムをはじめとする生活習慣病発症の分子メカニズムを理解することをミッションとしています.
Last updated on 160910 by J. I.
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研究概要