Western Blotting (wet transfer) (平田 潤)

 

ウエスタンブロット法とはタンパク質をSDS-PAGEで分離したのち、そのゲルからニトロセルロースなどの膜に電気泳動で転写し、膜状で特異抗体などと反応させる方法のことである.方法としてウエット式とセミドライ式があるが、ここでは高分子量タンパク質を効率よく転写させ、操作が簡単なウエット式について述べる。

使用するもの

・10×SDS-Buffer(当研究室では予め10×を作製しておき、使用時に希釈して用いている。)
Tris 90.84g
Glycine 432.18g
SDS 30g
milliQ upto 3000ml

・TBS Buffer
1M Tris-HCl (pH 7.5) 10ml
NaCl 4.38g
milliQ upto 500ml

・ECL液、適当な一次抗体、二次抗体

・電気泳動槽、Electrode module、Gel holder、カセットスポンジ2枚、 PVDFメンブレン(ゲルの大きさ1枚)、ろ紙(ゲルの大きさ2枚)、 X線フィルム

プロトコール

SDS-PAGEによる泳動が終了後、GelをSDS Bufferに浸す。

PVDF膜をメタノールに30秒浸した後SDS Bufferに3分間浸し平衡化させる。

Gel holder (+)、スポンジ、ろ紙、ゲル、 PVD Fメンブレン、ろ紙、スポンジ、Gel holder (-)の順
で重ね、固定する。この時ゲルとメンブレンの間に気泡が入らないように注意する。

Gel holder を泳動槽にセットしSDS Bufferを入れ(このとき20%分メタノールを入れることもある)、Electrode moduleを電極に注意して差し込み適当なV, Aで泳動する。(高分子量のタンパク質を転写するときはより長い時間をかける)

ブロッティング終了後、ニトロセルロース膜をピンセットを用いて取り出しゲルが転写された側を上にしてTBS Bufferで浸したプラスティックシャーレに入れる。

TBS Bufferで2、3回Washする。

Skim milk 1gをTBS Buffer 20mlに溶かしたものをメンブレンの入ったプラスチックシャーレにあけ、1時間ほど室温で振盪させる (Blocking)。

<一次抗体反応>
Skim milk入りのTBS Buffer 1mlに対して20% Tween20を25ul入れたものに一次抗体を希釈し、これに対してパラフィルム上でメンブレンを浸す。1時間浸すが、30分の時点で一度表裏する。

0.2% Tween20入りTBS(TBST)で5分間Wash(3回)

<二次抗体反応>
TBSTに二次抗体を希釈したものにメンブレンを浸し1時間室温で振盪。

TBSTで10分間Wash(3回)

ECL液に浸し暗室で感光させ現像する。