Western Blotting (semi-dry transfer) (平賀 秀明)
1. 原理
電気泳動後のタンパク質を電気的にメンブレンに移し取り、その後抗体を用いて特定の分子を高感度で検出する事ができる。ウエット式に比べて短時間で終わるが、高分子量のタンパク質の転写効率があまり良くなく、実験によってウエット式と使い分けておこなうと良い。
2. 使用するもの
PVDF (poly vinilidene difluoride)メンブレン、濾紙、キムタオル、パワーサプライ、ブロティング装置、パラフィルム、プラスチックケース等
3. 試薬
・ Transfer buffer
Tris (1.51 g)をMilliQ (350 ml)に溶解。ホウ酸でpH9.5に滴定しMilli-Qで400 mlとする。メタノール (100 ml)を加えTotal 500 mlとする。
・ 1xTBST
10xTBS (100 ml),10%Tween 20 (10 ml)をMilli-Qで1 Lとする。
・10xTBS
1M Tris-HCl (pH7.5) (100 ml), NaCl (43.83 g) をMilli-Qで500 mlとし、オートクレーブをかける。
・5% Skim Milk
SkimMilk (2.5 g) を1xTBSTに溶解し、50 mlとする。
4. プロトコール
PVDFメンブレンをメタノールに10分間浸す。
↓
メンブレンをTransfer bufferにメンブレンが水をはじかなくなるまで約一時間浸す。
↓
SDS-PAGE終了後、スタッキングゲルを除き、Transfer bufferで軽くすすぐ。
↓
濾紙をTransfer bufferに浸し、気泡が入らないようにブロティング装置に3枚重ねて引く。
↓
ブロティング装置の電極の向きに注意しながら、気泡が入らないように濾紙の上に
メンブレン、ゲルをのせる。
↓
さらにその上に、気泡が入らないようにTransfer bufferに浸した濾紙を3枚重ねて引く。
↓
濾紙の上から筒などで濾紙、メンブレン、ゲルの間に入ってしまった気泡を押し出す。
↓
キムタオルで余分なbufferをふき取り、ブロティング装置の上ブタをつけ、パワーサプライにつなぐ。
↓
9 V、55分間ブロティングする。時間を長くすると低分子のタンパク質がメンブレンを通り抜けてしまうので分子量にあわせて時間を調節する。
↓
メンブレンを1xTBSTで5分間x3回すすぐ。
↓
ブロッキング
メンブレンを5% Skim Milkに一時間浸す。
↓
メンブレンを1xTBSTで5分間x3回すすぐ。
↓
一次抗体
パラフィルムで箱を作りそこに一次抗体と水分をよく切ったメンブレンをいれ、メンブレンが乾燥しないように注意しながら一時間おく。
↓
メンブレンを1xTBSTで5分間x3回すすぐ。
↓
2次抗体
水分をよく切ったメンブレンを2次抗体の中にいれ、遮光して一時間おく。
↓
メンブレンを1xTBSTで5分間x3回すすぐ。
↓
現像