Southwestern cloningとは、あるDNA配列特異的に結合する因子をクローニングする方法である。λgt11 phage cDNA library を大腸菌Y1090 に感染後、 IPTGを用いたlacオペロン-システムによりλgt11 phage vector 内のcDNAをタンパクとして発現させる。目的のDNA配列をprobeとして特異的に結合する因子をスクリーニングする。一般的にprobeは目的の配列を数コピーつなげたものを用いることが多いが、接続部分に結合する因子が得られる場合もあるので注意が必要である。
Y1090 の特徴
・Amp耐性プラスミド保持菌。
・SupFを持つためλgt11により溶菌される。
・Dlon-外来性のタンパクによく反応するプロテアーゼが欠失している。
・lacI が発現するためIPTGで誘導するまでタンパク合成が抑制される。
注意点
・ cDNAのコードするタンパクはβ-ガラクトシターゼとの融合タンパクとして生産される。
・ リン酸化等翻訳後の修飾によりDNA結合能を得る因子はクローニングできない。
・ 複合体を形成してDNAに結合する因子はクローニングできない。
・cDNAをタンパクとして発現させるためフレームの合う確率1/3、cDNAの方向1/2を考慮する必要がある。
Infection
準備
Competent Cell (C. Cell) 培養、調製
λgt11 phageの濃度調整
NZY plate (60 ℃保温)
Top Agarose 作成
incubator (52 ℃)
作業
C.Cell 100 ml
phage 25 ml を混ぜる
(角形plateなら500 ml : 100 ml)
incubate (37℃、15 min)
52 ℃ incubator , 10mlスピッツ管をたて、Top Agar(3 ml)を入れておく
(角型、15ml tube, Top Agar 7.5ml)
NZY plate 準備
C.CellをTop Ager に加える
pipetting して NZY plate へ plate out
Top Ager が固まるまで15 min くらい置いておく
incubate(42 ℃、4 h)
phageの感染により大腸菌が溶けたところがプラーク として確認できる
試薬必要量
数値はφ90 mm丸形シャーレを使う場合、角形10X14cmを用いる場合は( )内に示す。
#クローン数
#濃度分け 必要plate 枚数 = 濃度分け×クローン数
#C. Cell(50mlチューブ10ml cultureでC.Cell 5ml ができる)
1plateにつき0.1ml使用、50mlチューブ1本培養で約50sample 分 (角形0.5ml,10sample分)
#NZY Plate 枚=サンプル数
#NZY broth(9cm丸形20枚/500ml) (角形7枚/500ml)
#0.7% Top Agarose(9cm丸形1枚につき3ml)1割り増しで作る (角形7.5ml)
試薬
・NZY Broth作製
NaCl 10 g
MgSO4.7H2O 4 g
Yeast Extract 10 g
NZ Amine 20 g
10N NaOH to pH 7.5
s.d H2O to 2.0 l
・NZYplate作製
1Lフラスコに
NZY Broth 500 ml
BACTO-AGAR 7.5 g
a.c.(121℃、20min)
クリーンベンチ内で新品のプレートに
・Top Agarose (0.7%)
アガロース 0.7g
1M MgSO4 1ml
Milli-Q 100 ml
a.c.(121℃、20min)
・ C.Cell作製
・ 大腸菌Y1090の培養
50mlチューブに
NZY Broth 10ml
菌体 小スパーテルひとかき
incubate 37℃ 8 h
培養した菌体を
遠心(3000rpm,10min, R.T)
上澄み棄てる
10mM MgSO4(5ml)加える
ボルテックス
4℃で30hくらいstock可
South Western Cloning <Singh Method>
準備
infection
プローブ作製 (γ-32Pを用いて末端ラベル)
IPTGフィルター作製
Induction & Transfer
プラーク形成後(plate out 後4h)
IPTGニトロセルロースフィルターをのせる (タンパク発現の誘導及びフィルターへのトラップ)
incubate(42℃,15min)
incubate (37℃, 3~14 h)
Blocking
必要に応じてフィルターに針でマーキング
フィルターをBlocking Buffer に浸す
shake (R.T., 1 h)
Binding 緩衝液1でwash×2
フィルターが乾燥しないように
R.I. へ
持ち物
フィルター
Binding 緩衝液2
ろ紙
Washing Buffer
シャーレ(プローブ×バッファーの種類)
Binding
100℃準備
S.S.DNAをboil (5 min), on ice
シャーレに
Binding 緩衝液2
フィルター
probe
S.S.DNA を入れる
shake (R.T., 1 h)
Washing
Wash Buffer でwash (15min × 3回)
適度に乾燥させ
ろ紙上に置きラップにくるみ、イメージングプレートへ
必要試薬
IPTGフィルター
製品名
ニトロセルロースフィルター
OPTITRAN BA-S85
REINFOCED NC
REF. NO.:439196
Schleicher & Schuell
使う直前に作製
使うplate の形に合わせてcut
ナンバリング(油性ボールペン)
20 mM IPTG溶液に浸す(シャーレ使用)
キムタオル上で風乾
Blocking Buffer
Skim milk 1 g
1 M Tris-HCl (pH 7.6) 0.4 ml
0.5 M ZnSO4 4 ul
a.c. milli-Q 19.5 ml
total 20 ml
Binding 緩衝液1
1 M Tris-HCl (pH 7.6) 1 ml
1 M MgCl2 1 ml
5 M NaCl 1 ml
0.5 M EDTA 20 ul
0.5 M ZnSO4 124 ul
milli-Q 97 ml
total 100 ml
a.c.
Binding 緩衝液2
γ-32P probe 20 ng
10 mg/ml poly dI-dC
(or 10 mg/ml S. S. DNA) (10 ul)
5 mg/ml 変性子牛胸腺DNA 200 ul
Binding 緩衝液1 10 ml
total 10 ml
Washing Buffer
1 M Tris-HCl (pH 7.6) 1 ml
1 M MgCl2 1 ml
5 M NaCl 4 ml
0.5 M EDTA 20 ul
0.5 M ZnSO4 124 ul
milli-Q 94 ml
total 100 ml
a.c.