SDS-PAGE (平賀 秀明)

 

1. 原理
 2-メルカプトエタノールのような還元剤を用いてジスルフィド結合を切断したタンパク質試料に、負の電荷を持つ界面活性剤であるSDSを入れておくと、タンパク質にSDSが結合することにより、タンパク質の高次構造がほぼ完全に壊れ、一本鎖の状態となる。さらに、タンパク質に結合するSDSの量は、タンパク質1 gに対して約1.4 gと一定であることから、アミノ酸組成などの関係なく電荷密度が一定となる。つまり、タンパク質分子の形状に違いがなくなり、分子ごとの荷電量がタンパク質の分子量に比例する事から、タンパク質の移動度はその分子量のみに左右され、単純に分子量でタンパク質を分離することができる。

2. 使用するもの
ゲル板、コーム、スペーサー、泳動槽、パワーサプライ、ヒートブロック等

3. 試薬
・6xUREA SDS sample buffer
SDS (ドデシル硫酸ナトリウム) (1.2 g), 2-メルカプトエタノール (1200 ml),
グリセロール (4 ml), ブロモフェノールブルー (適量),
4xSDS PAGE B solution (4.8 ml), 尿素 (7.2 g) を滅菌したMilliQで20 mlとし、60度でよく溶解させる。
・4xSDS PAGE A solution
Tris (90.9 g) を蒸留水で400 ml とし塩酸でpH 8.8にあわせる。その後 SDS (2 g) を加え、MilliQで500 ml とし、0.22 mmのフイルターで濾過する。
・4xSDS PAGE B solution
Tris (30.285 g) をMilliQで800 ml とし塩酸でpH 6.8にあわせる。その後、 SDS (2.0 g) を加え、MilliQで1 Lとし、もう一度pH6.8になっているかチェックする。
・10xSDS buffer
Tris (30.285 g), グリシン (144.06 g ), SDS (10 g) をMilliQで1 Lとする。
10xSDS bufferをMilliQで10倍希釈し、1xSDS PAGE bufferとする。
・10%APS
ペルオキソ硫酸アンモニウム (5 g) を滅菌したMilliQで50 mlとし、1 mlに分注する。-20℃で保存 。
・Stacking gel premix
1M Tris-HCl (pH6.8) (6.25 ml), 30%acrylamide solution (6.5 ml), 10% SDS (500 ml) を滅菌したMilliQ (36.25 ml) に溶解させる。
・10% SDS
 ドデシル硫酸ナトリウム (50 g)をMilliQで溶解し500 mlとする。
・30% acrylamide solution
 acrylamide (290 g),N,N-Methylene bis-acrylamide (10 g) をMilliQで溶解し、1 Lとする。その後、フイルターで濾過する。
・1M Tris-HCl (pH6.8)
 Tris (60.57 g) をMilliQで350 mlとした後、5 N HClでpH 6.8にあわせる。その後、MilliQで500 mlとし、オートクレーブをかける。
・TEMED

4. プロトコール
・SDS-polyacrylamide gel の作製
 ゲル板、スペーサーをセットする。分離させたいタンパクの分子量をもとにアクリルアミドの量を決め、分離ゲルを作製する。4xSDS PAGE A solution,30% acrylamide solutionをDW (total 5 ml) に溶解させ、10%APS (35 ml) をくわえる。その後、TEMED (5 ml) をくわえ軽く混ぜ、ゲルが固まらないうちにゲル板に注ぎ込む。その上からDWを静かに重層し、ゲルが固まるまで待つ。
分離ゲルが固まったら、重層したDWを捨て、濃縮ゲルを作製する。Stacking gel premix (1.5 ml) に10% APS (30 ml) をいれ、最後にTEMED (2 ml) くわえ軽く混ぜ、分離ゲルの上から注ぎ込み、泡ができないようにコームを差し込む。

分離ゲル ( 5 ml )
                                                  7%          8%        10%       12%        15% 
4xSDS PAGE A solution   1.25 ml  1.25 ml   1.25 ml  1.25 ml   1.25 ml
30%acrylamide solution  1.15 ml  1.33 ml   1.65 ml   2.0 ml    2.6 ml
DW ( total 5 ml )

・サンプルの準備
サンプルに6xUREA SDS sample bufferをくわえ、ボルテックスをかける。その後、ヒートブロックで100℃、5分間処理する。

・電気泳動
ゲル板を泳動槽にセットし、1xSDS PAGE bufferで泳動槽を満たす。サンプル、マーカーをアプライし、パワーサプライにつなぎ、電気を流す。電圧はだいたい200 V以下で行う。きれいなバンドを得たい場合は、さらに低い電圧で行う。サンプルが流れきらないように注意して泳動する。