[用途]
・微量RNAの検出、
・RNA定量のための鋳型として使用(→リアルタイムPCR protocol 参照)
・cDNAクローニングのための鋳型として使用(→サブクローニングprotocol 参照)
[原理]
・ 逆転写酵素を用いてRNAを鋳型としたDNA合成を行い、そのDNAを鋳型にしてPCR反応を行う
[使用キット]
・ ReverTra Ace(TRT-101 / TOYOBO)
[方法]
1. 逆転写反応
↓下記に示す反応液を調整する
RNase Free H2O x ul
5×RT Buffer 4 ul
dNTP Mixture 2 ul
RNase inhibitor 1 ul *1
Primer 1 ul *2
RNA y ul *3
ReverTra Ace 1 ul *4
(Total 20 ul)
↓(30℃ 10 min.) *5
↓42℃ 20 min.
↓99℃ 5 min.
↓ 4℃ 5 min.
↓スピンダウン
2. PCR
逆転写反応で得られた1st strand cDNAの反応液の一部(PCR反応系の1/50以下が望ましい)を鋳型としてPCRを行う(→PCR protocol 参照)。
ネガコンとして逆転写を行っていないRNAを鋳型としたPCR、ポジコンとしてKit positive control RNAからの逆転写産物とKit positive control用primterを用いたPCRを行う。
*1)RNaseOUTTM(10777-019 / Invitrogen)を使用している。
*2)
・Random primer (25 pmol/ul)
・Oligo (dT) 20 (10 pmol/ul)
・配列特異的下流primer (10 pmol/ul) のいずれかを用いる。
Random primer
→ 長いRNAの逆転写の場合、ヘヤピン構造を持つRNA逆転写、上流配列の逆転写を行うときに適している。
Oligo (dT) primer
→ poly A tailを持つmRNAの逆転写にのみ用いることが可能。リボソームRNAが鋳型として含まれないので効率的にcDNAが得られる。配列特異的下流primerは本研究室ではあまり使用していない。
*3)・Total RNA (1ug以下)
・mRNA (10~100 ng) のいずれかを用いる。
DNAのコンタミが無いことが大切であり、その心配が予想される場合はRNase free DNaseIでゲノムを消化する必要がある。→ RQ1 RNase-Free DNase (M6101/Promega)ポジコンとしてKit positive control RNA - 1 ulも鋳型にして反応を行う
*4)必要以上に加えると逆転写反応後の酵素失活反応が不十分となり、次のPCR反応に影響が出る。
*5)Random primerを使用する場合は十分にアニールできるように30℃ 10 min.のプレインキュベートを行うとよい。