Oil Red O 染色 (青山 久範)

 

目的と原理
 Oil Red O染色は、脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化を確認する方法の一つに用いている。オイルレッドOは、アゾ色素の1種で、無極性・脂溶性であるため、脂肪細胞に触れると細胞内脂質(トリグリセリド)の溶媒に溶け込むとされている。
(下図を参照)

必要な試薬
10% ホルマリン溶液(37% Formaldehyde SolutionをMilli Qで希釈)
60% イソプロパノール
PBS
Oil Red O (SIGMA O-0625)

方法
↓オイルレッドO染色液 (オイルレッドOイソプロピルアルコール飽和溶液)の作製
150 mg   Oil Red O
50 ml   100% イソプロパノール 50 ml tubeで10 min~shakeしておく。
↓オイルレッドO染色液を60% にDWで希釈し、1回ろ過をする。
 (注)ろ過後の液は長時間 (約2時間) 空気中にさらすと結晶が析出してくることがある。
↓細胞(well or plate)をPBSで2回wash
↓10% ホルマリンで固定(10 min 室温、放置)
↓PBSで2回wash
↓細胞を60% イソプロパノールに1 min 置換し、イソプロパノールを捨てる。
↓ろ過したオイルレッドO染色液を細胞に加え、染色を行なう。(10-20 min、室温、放置)
↓60% イソプロパノールで1回洗浄
↓PBSで2回wash
↓PBS中で(顕微鏡)観察
(注)PBSがこぼれないように、plateのふちをパラフィルムで覆う。

図 左から6cm plateにて増殖・分化させた0、2、8日目の3T3L1細胞。